最近総理大臣は交代していないが、第一次安倍政権からしばらくの間は頻繁に首相が変わったものでした。

その度に見られた現象として、首相就任直後の支持率が最も高く、その後は低くなっていった。

これは、単に政治に期待する内容が間違ってることの現われだったんじゃないかと思ったものです。

なにしろ1年もしないうちに支持率が大幅に減るんですから。

その要因は当時沖縄問題などがあったにしても、当時は景気が悪く、景気に対する国民の誤った考え方が根底にあるのではないか、そう思ったものでした。



国民が政治に期待する内容の上位には、いつも景気を良くして欲しいという願いがあります。

景気を回復させろ、という願いです。

だけど、残念ながら景気回復を政治に期待してもうまく行きません。


景気を回復させるには、産業がうまくいく必要があります。
では歴史的にどんな産業が栄えたか、考えて見ます。


明治維新~
生糸の輸出が栄えたけど、これは人件費が安かったので、コストを抑えられたことが要因。
重化学工業は日清戦争後少しずつ盛んになってきたけど、第一次世界大戦時のような特需がなければまだまだ。。。。

1950年ごろ~
朝鮮戦争があったこと。織物の輸出業が栄えたけど、これも最大の要因は人件費が安かったことと、現在の韓国のようなライバルが弱かったこと。。。

1970年ごろ~
自動車と電気産業が栄えたけど、これはまだ現在の韓国のようなライバルが少なく、日本の技術力の相対的な優位性がある中、何と言っても円が安かったこと。
プラザ合意で円が高くなったあたりが、日本の長期停滞の始まりと近いのは偶然ではないでしょう。


過去どんな時期であっても、偶然に生じていた環境を生かした産業が栄えたということを忘れてはいけません。

政治家がそういう状況を作ったわけではなく、「たまたま発生していた状況に適した産業が伸びた」、ということなんです。

楽天・ZOZO・ソフトバンクといった会社は、インターネットの黎明期だったから大きく成長出来たのであって、そのときの総理大臣の政策が良かった訳ではありません。・・・こう言えばより分かりやすいかも知れません。

何を言おうとしているかというと、政治家が景気をよくすることなんて、過去に成功したことはないし、期待するだけ無駄だってことです。
(ただ言えることは、共産党の言っているような、企業の内部留保を吐き出させるなどという言語同断の足の引っ張り方をしてはいけないということです。それは間違いありません)



景気対策としての公共事業もやめましょう。
ケインズ政策とか称して、90年代以降ものすごい量の公共事業を行いましたが、その挙句に残ったのは借金だけで、結論としては長期的に見て、少しも景気はよくなりませんでした。
むしろ、人口が減っていくので、インフラ投資は都市部を中心にしていかねばなりません。


政治が直接的に景気を回復させるかのような幻想を持つのはやめましょう!無駄です。自体が悪化するだけです!

それよりも、先程書いたとおり、

「たまたま発生している状況に適した産業が伸びる」

訳ですが、産業が伸びやすくするような環境を政策的に作り出すことはできるかもしれません。


具体的には、企業が日本国内で活動するが故に負うことになる制約を解決してあげることです。

具体的に言えば、

(1)高い法人税率、(2)厳しい労働・解雇規制、(3)経済連携協定の遅れ、(4)電力料金の高止まり・電力の不足

となります。


要は、解雇規制の緩和、法人減税、原子力再稼働、関税の引き下げ(や、TPPのような多国間協定の拡大)等が政治に期待すべきことなのです。
(改めて思ったが、共産党の言っていることの逆を全てやれば、いいということか。。。)



景気を良くすること、そのものを政治に期待するのは純粋に間違っているんです。

政治ができるのは、景気が良くなるような環境を整えることなんです。

環境整備をちゃんとできているかどうかで政治を評価しましょう。

政治によって直接的に景気が良くなるという期待をすると、失望することになってしまいます。






(参考:野村證券 企業の六重苦軽減と問われる企業経営の革新)
https://www.nomuraholdings.com/jp/services/zaikai/journal/c_201307_01.html
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