最近(2020年2月)また覚醒剤使用で有名人の逮捕があったこともあり、この記事を書こうと思う。

法律に違反するような薬物を使用することは勿論悪い。

これを確認した上で、彼がしたことはどれくらい悪いのだろうか。

ところで、私は「人間は他人に迷惑をかけない限りは自由」だとも思っている。

これを読んでいる人も同意する人は多いと思う。

大変尊敬されている経済誌(Economist)の記事を元にして考えてみる。
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この図は、各種のドラッグがどれくらい危険かを示している。

すると、上位から

1 Alcohol 酒
2 Heroin ヘロイン
3 Crack cocaine クラック・コカイン
4 Methamphetamine メタンフェタミン(彼の逮捕容疑となった「覚醒剤」)
5 Cocaine コカイン
6 Tabacco 煙草
(以下略)

と並んでいることが見て取れる。


グラフは緑の部分と茶色の部分から構成されているが、

このうち、緑の部分(3つ)はHarm to usersなので、使っている本人に悪影響があるということだ。

「人間は他人に迷惑をかけない限りは自由」

なので、緑の3つを除いて茶色の3つ順位を見てみる

順番は正確ではないかも知れないが、
1 Alcohol 酒
2 Hroin ヘロイン
3 Crack cocaine クラック・コカイン
4 Tabacco 煙草
5 Cannabis 大麻
6 Cocaine コカイン
7 Amphetamine アンフェタミン
8 Benzodiazepines ベンゾジアゼピン
9 Methadone メタドン
10 Ketamine ケタミン
11 Methamphetamine メタンフェタミン(逮捕容疑となった「覚醒剤」)

となっているように見える

覚せい剤は、他人への害という観点では、酒・煙草よりも少ないのだ


違法であること、反社会勢力へお金が流れたことは勿論重要だ

それを除けば、彼がしたことは、煙草の副流煙を他人に吸わせた喫煙者よりは罪(=他人への迷惑)が軽いのかも知れない



エコノミストの記事を見てみると

「 as far as the scientific evidence is concerned, current drug laws have no rhyme or reason to them」

とある。意訳すると、

「法律は科学的証拠には基づいていない」

のだそうだ




・・・「彼は悪いことをしたのか?」と、問われたらあなたは何と答えますか?

あなたは法律を破ったのだから悪いよね、と答えるだろうし、私もそう答える。



では次の質問には答えられますか?


「科学的証拠に裏打ちされていない法律自体にそもそも意味があるんですか?」


人によって答えはバラバラになってくるのではないだろうか
(ちなみに、裏社会の資金源となっているからダメというのはこの場合理由にならない。資金源になっているのは非合法だからであり、合法になれば裏社会の資金源にはならない)


世界的に見てみると、大麻が合法化されつつある

単に違法だから悪い!というレベルで認識・議論が止まってしまうと、世界で起こっている現象が理解できなくなるばかりではないだろうか

(当たり前ですが、違法行為を勧めている訳では有りません)